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今回は「愛の不時着」で一躍人気者となったタン・ジュンサンと「シグナル」でも主演を務めたイ・ジェフンが出演した、2021年放送「ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です(무브 투 헤븐 : 나는 유품정리사입니다)」のセリフから韓国語を学んでいこうと思います。
遺品整理会社で父親と一緒に遺品整理士として働くアスペルガー症候群の主人公グル。
幼い頃に母親を亡くし、愛に満ち溢れた父親と二人で暮らしていた。
そんなある日、父親が突然持病を発症しグルを置いてこの世を去ってしまう。
疎遠になっていたゴロツキのような叔父サングと共に故人が伝えられなかった思いを残された人に伝えていく。
主演:タン・ジュンサン、イ・ジェフン、チ・ジニ
「遺品整理」と聞くと、敬遠されがちなテーマの作品ではありますが、現代の社会問題を温かくユーモアを交えながら伝えてくれています。
非正規労働、認知症、孤独死、DV、ストーカー、LGBTなど…。一話ごとに一つ一つの社会問題を扱っていく、深く考えさせられるドラマ。
アスペルガー症候群の男の子と刑務所帰りの叔父の心温まるストーリーは涙なしでは見ることができません。
そんな「ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です」のセリフから韓国語を学んでいきます!
「ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です」で韓国語勉強!
まずは第2話からのセリフをピックアップです。
大好きな心優しい父親を亡くしたグルは、軽度の障害があるという理由で後見人が必要となり、そこから刑務所を出所したサングとの共同生活が始まりました。
無神経に家の物を食べあさり散らかしていくサングに対して、神経質で生活習慣や環境が変わると混乱してしまうグル。
そんなグルが心配になった向かいの家の幼馴染ユン・ナムは毎日のようにグルを見守り、サングが何かしでかさないか、目を光らせていました。
遺品整理の仕事が入り、グル一人で仕事に出かけようとしていたところ、車の運転ができないことに気づきます。そのときナムがサングに向かって一言。
運転できます?
「운전」は「運転」という意味です。
「할줄 알죠」は、この文を簡単に崩してみると、「할줄 알(다)」+「죠」で「やり方(方法)を知っている」+「でしょ」というふうに分けられます。
直訳すると「やり方を知っている」になりますが、「(習得したものを能力的に)できる」というように訳すことができます。
できるという表現では「할수있다」がありますが、「私は韓国語ができます」というような表現の場合には「할줄 알(다)」のほうがよりネイティブに聞こえます。
父親の姿はなくともいつも心の中で父親を感じながら、懸命に一人で遺品整理の仕事を全うするグル。
続いてはそんな父親との遺品整理中の回想シーンの一言です。
(近くに)おいで。
父親ジョンウがグルに言った言葉ですが、温かみのある愛に溢れた言葉です。
「가까이」は「近く」という意味です。
他にも「親しく」という意味もあります。
「와봐」は、動詞「오다」=「来る」の活用아/어形「와」と動詞「보다」=「みる」の活用아/어形「봐」がくっついた言葉です。
つまり直訳すると「来てみて」「来てごらん」のようになりますが、このような言葉尻につく「봐」には言葉を優しい印象にする効果があります。
最初は過酷な遺品整理の仕事をいやいやながらしていたサングでしたが、次第にそれぞれの故人の思いやストーリーに触れ、学ぶことも多く段々と成長していくサングでした。
しかしナムは引き続きグルを見守るためサングに釘を刺します。
(グルに)よくしてあげてください。
これは「잘하다」=「よくする」「上手だ」の語幹に「세요」「~てください」がついた形です。
「세요」は尊敬命令として丁寧にお願いをする場合に使うことができます。
「ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です」の単語・フレーズ
★ 잠깐만 / ちょっと待って。
★ 헐… / げ…、うそ…
びっくりした時や呆気にとられた時に使う感嘆詞!
「헐… 대박.」という形で「うそ…やばい!」 という意味になります。
★ 딱 한번 / 一度だけ
「딱」は「ちょうど」という風に訳されますが、この場合は「多くもなく、少なくもない一度だけ」という解釈になります。
★ 그만해 / やめて。(そこまでにして)
★ 거기 안서? / 止まれ。(そこで立ち止まらないの?)
「거기」=「そこ」
「안」は動詞、形容詞の前につけることで否定の意味となります。
「서」は「서다」=「立つ」の아/어形。
もともと「서다」の語幹「서」の母音が「ㅓ」なため、変化してないように見えますが、아/어形に活用されています。
★ 아유 / あらぁ
(아이고 / あらまぁ)と同じ意味。
うれしい時、困った時、たくさんの場面で使える感嘆詞!
韓国ドラマ「ムーブ・トゥ・ヘブン」のセリフから学ぶ韓国語まとめ
「ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です(무브 투 헤븐 : 나는 유품정리사입니다)」は「死」という重いテーマを扱いながらも、遺品整理を通して故人の歩んだ人生を描きながら、人と人との繋がりや愛の大切さを伝えてくれる感動作でした!
韓国ドラマでは珍しく、一話ごとに一人一人の故人の人生を描いていて毎回泣いてしまうほど凝縮された濃い内容になっています。
グルの幼馴染ナムの名前は「나무」=「木」、主人公ハン・グルの名前は「한그루」=「1本(木を数える単位)」、名前からして二人は運命だったとナムの父親は言っていましたが、こういった韓国語の可愛らしいギミックまで楽しめる作品です。