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韓国語には「疲れた」を意味する言葉が3つあります。
- 피곤하다
- 힘들다
- 지치다
です。
この3つにはどのような違いがあるのか、使うシチュエーションと一緒にご紹介します。
피곤하다、힘들다、지치다の意味
「피곤하다」「힘들다」「지치다」は「疲れた」を意味する言葉ですが、それぞれニュアンスが異なるので、まずは各々の意味を確認してみましょう。
★피곤하다は「疲労」
피곤하다は「피곤/疲困、疲労」と「하다/する」が組み合わさって、「疲労する」「疲れる」という意味になります。
「〜して疲れた」と日本語で使う「疲れた」の意味に最も近いです。
何かをして身体的な消耗で疲れる、と覚えるといいと思います。
★힘들다は「大変、しんどい」
힘들다は「힘/力」と「들다/持つ、取る」が組み合わさり、『力を持つ、力が要る』→『大変だ、しんどい』→『疲れる』というニュアンスです。
本来の意味は「大変だ、しんどい、つらい」なので、厳密には疲れるという意味はありません。
ですが「大変なこと=疲れる」と考えれば疲れるという意味で使うことも出来ます。
★지치다は「くたびれる」
지치다の疲れるは、「くたびれる」「疲れ果てる」という意味が一番近いです。
行動自体がしんどいというより、長い間ずっとやってきて心身共に疲れきってしまったというニュアンスです。
3つの中では最も疲労した状態を表すことが出来ます。
※会話の中で지치다を多用すると、疲れていることをアピールしているように相手が受け取る場合もあるので注意してください。
よく使用されるシーンは「ずっと頑張っていたけど上手くいかない時」です。
仕事、社会生活、学校生活、恋愛、人生 etc…
長期にわたって一生懸命に取り組んできたけど、苦労が多く疲労が溜まってしまいがちなことで使われることが多いです。
韓国語「疲れた」の使い方と例文
피곤하다、힘들다、지치다の微妙な意味の違いが理解できたところで、例文を紹介していきます。
【 피곤하다の例文 】
「오늘은 해야 되는 일이 많아서 피곤해요.」
「今日はしないといけないことが多くて疲れました」
「하루종일 연습을 했더니 피곤해.」
「一日中練習をしたら疲れた」
このように身体的な疲労を表すのに피곤하다をよく使います。
※過去形にすると「その時は疲れていた」となります。
「그때 일이 너무 많아서 피곤했어요.」
「あの時は仕事が多すぎて疲れたよ」
日本語では「疲れた」と過去の形になりますが、피곤하다は形容詞なので現在形で「疲れている状態だ、疲れた」となります。日本語との時制の違いに注意してください。
【 힘들다の例文 】
「다음주에 시험이 있어서 힘들어요.」
「来週試験があって大変です」
「발이 아파서 계단을 오르는 것도 힘들어.」
「足が痛くて階段を登るのも疲れる」
動詞に「-기」を付けて「-기 힘들다」で「〜しづらい」「〜するのに苦しむ」と活用して使うことも出来ます。
「그 사람의 이야기는 믿기 힘들어요.」
「その人の話は信じがたいです」
「시간이 없어서 모임에 가기가 힘들어요.」
「時間がなくて集まりに行くのが難しいです」
「자기 일만 생각하는 사람에게는 정이 들기 힘들어.」
「自分のことばかり考える人には、思いやる気持ちを持てない」
※「정」=「情、情け」
否定したり、断る表現をしたい時にも使えるので、ぜひ覚えてほしい活用形です。
【 지치다の例文 】
「재미없는 생활에 지쳤어요.」
「つまらない生活に疲れました」
「계속 노력했는데 결과가 안 좋아서 지첬어.」
「ずっと頑張ったけど結果が良くなくて疲れた」
最初は疲れていなかったけど『ずっとしていて疲れた』と意図せず疲れた状態になるので、지치다の後ろに「버리다」を付けることで「지쳐버리다」「疲れてしまう」と活用した表現も出来ます。
「연애가 잘 안 돼서 지쳐버렸어요.」
「恋愛がうまくいかなくて疲れてしまいました。」
「너무 엄격한 규칙에 이제 지쳐버렸어요.」
「厳しすぎる規則に、もう疲れてしまいました」
【 独り言で疲れた…と言う時は? 】
疲れた…と独り言で言う時には、피곤하다と힘들다をよく使います。
独り言では原形のままです。
「아 피곤하다」
「あぁ、疲れた、キツい」
「힘들다…」
「しんどいな…」「大変だ…」
語尾に向けて声のトーンを下げながら言うと、より疲労している雰囲気が出ます。
지치다は独り言ではほとんど使いませんが、歌詞では使われていることが多いです。
「지쳐〜♪」「지쳤어〜♪」と歌われているK-POPをぜひ探してみてくださいね。
韓国語”疲れた”の使い分け 피곤하다と힘들다と지치다の違いまとめ
最後にまとめとして、同じ例文で意味の違いを比較してみます。
「해야 하는 일이 많아서 피곤해요.」
「しないといけないことが多くて疲れました」
「해야 하는 일이 많아서 힘들어요.」
「しないといけないことが多くて大変です」
「해야 하는 일이 많아서 지쳤어요.」
「しないといけないことが多くてくたびれました」
こうして比較してみると以下のように「疲れた」の意味合いが異なることがわかるかと思います。
- 피곤하다:単純に疲労する
- 힘들다:するのが大変で疲れる
- 지치다:長い間続けて疲れ果てる
疲れたことを伝えたい時は、3つのうちどれを使っても全く問題ありません。
使い分けが出来るだけで、
- 疲れている度合い
- 大変なことをして疲れたのか、長い間続けて疲れたのか
をより相手にイメージしてもらいやすくなります。
「疲れた」と言う時には、この3つの中からどれが一番近い意味なのかを考えながら言葉をチョイスしてみてくださいね。