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韓国語の勉強で序盤にぶつかる壁の1つが「パッチム」ではないでしょうか。
そんなややこしいパッチムの覚え方としてポイントをご紹介します。
少しでもお役に立てば嬉しいです!
パッチムになる子音字
パッチムは全部で27個あります。
27個と聞くとちょっと多い気がして心が折れそうになりますが…でも安心してください!
発音は「7」つだけです!
27個すべてのパッチムが「k/n/l/m/p/ng/t」のどれかで発音します。
それでは27個のパッチムを確認していきましょう。
まずはカナダラ表にある以下の子音字19個について考えます。
ㄱ/ㅋ/ㄲ
ㄴ
ㄹ
ㅁ
ㅂ/ㅍ/ㅃ*
ㅇ
ㄷ/ㅌ/ㄸ*
ㅅ/ㅆ
ㅈ/ㅊ/ㅉ*
ㅎ
これらは「가/카/까」のように母音とくっついて文字を作ることができますね。
この19個すべてがパッチムになるわけではありません。
このうち、「*」を付けた「ㄸ」「ㅃ」「ㅉ」の3個はパッチムとして存在しません。
つまりパッチムになるのは以下の16個のみとなります。
ㄹ
ㅁ
ㅂ/ㅍ
ㅇ
ㄷ/ㅌ
ㅅ/ㅆ
ㅈ/ㅊ
ㅎ
では残りの27-16=11個のパッチムは何かというと、二重パッチム(またはダブルパッチム)です。
ㄺ/ㄻ/ㄿ
これらは母音と直接くっついて文字を作ることはできません。
例えると「ㄳ」+「ㅏ」で「ㄱㅅㅏ」という文字は存在しないということになります。
パッチムの発音の種類
ここまで27個のパッチムを確認しました。
次はそれを7つの発音に分類していきましょう。
パッチムを赤と青の2グループに分けてみました。
まず赤のグループです。これはそれぞれ以下のように発音します。
ㄴ…n
ㄹ…l
ㅁ…m
ㅂ/ㅍ…p
ㅇ…ng
つまり、カナダラ表で覚えてきた子音字の発音とほぼ一緒です。
「ㄱ/ㅋ/ㄲ」は激音・濃音に関係なくすべて「k」になります。
「ㅂ/ㅍ」も「p」の発音になるだけです。
この時点で7つの発音「k /n /l /m /p /ng /t」のうち「t」以外をすべて使ってしまいました。
でもまだ青グループの「ㄷ ㅌ」「ㅅ ㅆ」「ㅈ ㅊ」「ㅎ」が残っていますよね。
どういうことかというと、残りの青グループがすべて「t」の発音になるということです。
次は11個の二重パッチムを見ていきます。
子音字が2つ並んでいて、どちらを読めばいいか分からないのが二重パッチムです。
いったん黄色と緑のグループに分けます。
まずは黄色グループ。これらはすべて左側を読みます。
つまり次の発音になります。
ㄵ/ㄶ→ㄴ…n
ㄼ/ㄽ/ㄾ/ㅀ→ㄹ…l
ㅄ→ㅂ…p
二重パッチムは11個中7個が左側を読みます。
緑グループの3個は右側を読みます。
ㄻ→ㅁ…m
ㄿ→ㅍ…p
右側を読むパッチムのほうが数が少ないので、先に覚えてしまうのがベストです。
改めて発音別にパッチムを分けると以下のようになります。
ㄴ /ㄵ /ㄶ…n
ㄹ /ㄼ /ㄽ /ㄾ /ㅀ…l
ㅁ /ㄻ…m
ㅂ /ㅍ /ㅄ /ㄿ…p
ㅇ…ng
ㄷ /ㅌ /ㅅ /ㅆ /ㅈ /ㅊ /ㅎ…t
パッチムの覚え方
ここでパッチムの覚え方のコツをご紹介します。
「ㄺ /ㄻ /ㄿ」はそれぞれ数字を表す「27 /20 /2Ⅱ(22)」に似ていますよね。
そこで『数字に見えるものは右側を読む』と覚えるのがおすすめです。
パッチムの発音方法
それでは実際にパッチムの発音方法を見ていきましょう。
★k(ㄱ/ㅋ/ㄲ/ㄳ/ㄺ)
日本語で「しっかり」や「いっき」など、「っ」のあとにカ行が続く言葉を「っ」で止めた音です。
喉の奥がふさがったような状態になります。
【単語の例】약(薬),부엌(台所),밖(外),삯(賃金),흙(土)
★n(ㄴ/ㄵ/ㄶ)
「だんな」「かんな」など、「ん」のあとにナ行が続く言葉を「ん」で止めたときの音です。
舌先を上あごに付けて「ン」と発音します。
【単語の例】손(手),앉다(座る),많다(多い)
★l(ㄹ/ㄼ/ㄽ/ㄾ/ㅀ)
「る」[lu]から母音の[u]を取った[l]だけの音です。
舌先を上あごに付けたままで発音します。
【単語の例】길(道),여덟(8),곬((一直線の)道),핥다(舐める),뚫다(開ける)
★m(ㅁ/ㄻ)
「さんま」「ねんまつ」など、「ん」のあとにマ行が続く単語を言おうと口を閉じたときの「ん」の音です。
[mu]にならないように注意します。
【単語の例】밤(夜),삶(人生)
★p(ㅂ/ㅍ/ㅄ/ㄿ)
「りっぱ」「さっぱり」など、「っ」のあとにパ行が続く単語を「っ」で口を閉じて息を止めたときの音です。
【単語の例】집(家),앞(前),값(値段),읊다(吟ずる),
★ng(ㅇ)
「キング」「あんこ」など、「ん」のあとにカ行が続く単語を言うときに、のどの奥のほうから出す「ン」という音です。
舌先はあごに付けず、口は開いたままの状態で発音します。
【単語の例】강(川)
★t(ㄷ/ㅌ/ㅅ/ㅆ/ㅈ/ㅊ/ㅎ)
「しまった」「きっと」など、「っ」のあとにタ行が続く単語を言うときに「っ」で止めた音です。
【単語の例】받다(受ける),밭(畑),옷(服),있다(~がある),낮(昼),빛(光),낳다(産む)
例外について
パッチムの発音にも例外があります。
例えば「ㄺ」は通常は右側の「ㄱ」を発音しますが、後ろに「게」や「고」が付くと「ㄹ」を発音します。
【例】늙다(老ける)に「고」を付けた「늙고」は、「늑꼬」ではなく、「늘꼬」という発音になります。
こういった例外については出てくるたびに覚えるしかないのですが、勉強を進めていくうちに段々と口や舌の動きなどに慣れてきて勘がつかめてくるようになります。
覚えるのと慣れるのに時間がかかるかもしれませんが「韓国語の発音変化完全マスター」など、発音変化に特化した良書も出ているので必要に応じて勉強に取り入れてみてください。
韓国語のパッチムの覚え方!理解が深まるポイントとコツまとめ
パッチムは見た目の多さにやる気を削がれてしまうこともあるかと思います。
馴染みのない口や舌の動かし方で練習していると口まわりも疲れてくるかもしれませんが、それも新しい世界を知った気分で楽しむのが上達への早道だと思います。
焦らず楽しんで韓国語の勉強を続けていきましょう♪