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韓国語で自分のことを指す「私」の種類と使い方をお伝えします。
正しく使い分けないと不自然にしゃべる不思議な日本人になってしまうかも?
一人称とは文法の人称の1つで、話し手や書き手が自分自身(私、僕など)、また自分自身を含む仲間(私たちなど)を指す語を言います。
日本語で自分自身を指す一人称には「私」を始め、「僕」「俺」「わたし」「わたくし」などがあり、方言など加えるとさらにその数は多くなります。
韓国語にも日本語のように使い分けがあるのか?ひとつずつ詳しくご紹介していきますね。
韓国語の”私”
「私」を意味する韓国語は下記の2つのみです。
- 저
- 나
韓国語の一人称には「私」や「僕」などの区別はありません。
老若男女問わず「저」もしくは「나」を使います。
저と나の違い
「저」と「나」では丁寧さに違いがあります。
目上の人や、あまり親しくなかったり初めて会ったりする人と話すときに使う。
「わたし」、「わたくし」に当たる。
家族や友達、年下と話す時に使う。
「私」や「僕」「俺」などに当たる。
「저のほうが나よりも丁寧」と覚えておけばOKです。
日本語と同じで、相手が年上であっても気を許しあっている人であれば「나」を使うことができます。
逆に同じ年でも敬語で話す関係であれば「저」を使うこともあります。
相手との関係性によって使い分けてくださいね。
저と나の使い方
会話では「저」や「나」だけで使うことは多くありません。
- 私は
- 私が
- 私に
というように「私」の後ろに助詞を付けて使うと覚えてください。
以下のように助詞によっては「저」や「나」から形が変わる場合もあります。
- 私は / 저는 / 나는
- 私が / 제가 / 내가
- 私に / 저에게 / 나에게
- 私を / 저를 / 나를
- 私の / 제 (저의)/ 내(나의)
なお「私は」の「저는/나는」は会話でよく省略されます。
省略しない「저는」が最も丁寧な言い方です。
「전」でも問題はありませんが、初対面の人や目上の方には「저는」を使うのがベストだと思います。
「난」はドラマでもよく耳にすることがあるのではないでしょうか。
友達や家族など親しい関係で「난」はよく使われます。
저,나を使った例文
「저」や「나」を使った実際の文を見てみましょう。
私は韓国語を勉強しています。
・내 생일은 3월 23일이야.
私の誕生日は3月23日だよ。
・제가 사무실을 청소했어요.
私が事務室を掃除しました。
なお「私の」は基本的に「제」「내」が使われますが、
・나의(ナエ) → 내(ネ)
早く言うと自然と発音が崩れて、このようになると認識してもらえればOKです。
なお「제」「내」は、他の人と共有していない「私だけの」というニュアンスを含んでいます。
例えば、自分が所属している会社や学校に対して「제 회사」「내 학교」とは言いません。
会社や学校は「自分一人だけのもの」ではないためです。
では、この場合どう言うのかというと「우리 회사」のように「우리」を使います。
「우리」とは「私たち」という意味です。
日本語でいうと「うちの会社」「うちの学校」に近いニュアンスですね。
ですが、この「우리」は日本人の感覚でいう「私たち」や「うち」の感覚とはちょっと違います。
例えば、新聞などで自分たちの国をさす場合。
日本であれば「日本は~…」と書きますが、韓国では「우리 나라는~(私たちの国は~)」と書きます。
「우리」の集団意識の概念は、韓国らしさの象徴でもあり興味深いところです。
韓国語の主語は省略できる
韓国語は日本と同じように主語を省略しても通じることが多い言語です。
そのため一人称である「저」や「나」を抜いて話すことができます。
私は昨日カフェに行きました。
↓↓↓
・어제 카페에 갔어요.
昨日カフェに行きました。
話し手が自分自身の場合、主語である「私」の有無にかかわらず、この2つの文の意味は同じですよね。
日本語と同じで主語がないほうが会話として自然です。
このように文脈から主語が明らかな場合、「저」や「나」はよく省略されます。
★使いすぎに注意!?「제가」と「내가」
日本語でも会話をしているとき、相手が何回も「私が〜」と言うと自己主張が強い印象を持ちませんか?
韓国語でも「제가」や「내가」を多く使うと「私はこうだ」「私はこう思う」というふうに、「私」を強調しているように感じられます。
そのため「제가」「내가」を使いすぎると自我が強すぎるというネガティブな印象を与えてしまう可能性があるので、使用頻度には注意したほうが良いと思います。
逆に自分の意見や意志を明確にアピールしたいシチュエーションでは「제가」「내가」を使うと効果的かもしれません。
韓国語 “私”を正しく使い分ける!自然な一人称で話そうまとめ
韓国語の「私」は2つだけなので覚えやすいですね。
勉強する際は、「저」は丁寧、「나」はフランクなイメージだと覚えればOKです。
韓国語での会話では「저」「나」の使い方でその人たちの大体の関係性が分かります。
ドラマを見るときも「저」「나」がどう使い分けられているかに注目して見てみると、おもしろい発見があるかもしれませんよ。