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韓国語の勉強をしていると「中」を意味する「안」「속」「중」は、かなりの頻度で出てきます。
韓国語から日本語に訳す場合は特に問題を感じなくても、日本語から韓国語に訳す場合にはどれを使えばいいのかと悩むこともあるかと思います。
そこで今回は「안」「속」「중」について、それぞれがどういった意味を持っているのかを1つずつお伝えしつつ使えるシーンをご紹介します。
韓国語”中”の違い(1) 안
「안」は主に、はっきりと目で見えるもの、範囲の決められるものに使います。
さっそく例を見ていきましょう。
カバンの中に財布があります。
牛乳を買って冷蔵庫の中に入れておいた。
事務室の中は暖かいです。
このように안は、実際に目で見える、決められた空間を表すときによく使います。
また、「ある範囲の中」という意味でも用います。
事件が起きたので建物から100m以内に入れません。
私の家から半径1km以内にコンビニがたくさんあります。
たとえ肉眼で見えない距離でも、範囲が決まっている場合は使用可能です。
距離を基準にしましたが『時間・お金・期限・制限』などを基準にする場合もまれにあります。
この課題は3日以内に終わらせてください。
宿泊費と交通費は予算の中に含まれますか?
「안」は「以内」のニュアンスを持った、範囲の決まったものに使うと覚えます。
このことから안の後ろには具体的な「話」「人」「物」が出てくると、より自然な文章になります。
韓国語”中”の違い(2) 속
「속」はどこからどこまでか計れない、基準がないものに使われます。
漠然としていて「안」より捉え方が難しいと思います。
実際に속が使われる例文を見てみましょう。
海の中に魚がたくさんいます。
夢の中で会おうね。
頭の中で考えるだけでなく行動に移さないといけません。
とても広い場所(海、森、国など)や意識の中は、見えたり簡単に大きさや範囲が分かるものではないですよね。
(厳密にいえば見えたり大きさや範囲が計れるものもあるとは思いますが、一般的に考えて見えないものと考えてもらえれば良いです)
しかし実際のネイティブの会話では「안」と「속」は厳格に使い分けない場合も多いです。
「안」と「속」のどちらを使っても違和感はないけど少しニュアンスが違う、という場面を1つ紹介します。
これはどちらも「カバンの中に財布があります」と訳せます。しかし、
- 안:カバンの中(のどこか)に財布がある
- 속:カバンの奥の方に財布がある
というニュアンスの違いが生まれます。
「속」には「奥」「内部」のニュアンスがあると考えれば、分かりやすいと思います。
韓国語”中”の違い(3) 중
「중」は他の2つとは明らかに使うシーンが違うので、混乱することはないと思います。
「중」は選択肢のあるいくつかのものに使うことができます。
チキンの店の中でどこが一番美味しいですか?
3つの中から1つを選んでください。
友達の中で自分が一番背が低い。
このように「いくつかの中の1つ」を表現したいときに「중」を使えば間違えることはありません。
韓国語”中”の違いは?안 속 중 の正しい使い分けまとめ
「안」、「속」、「중」の3つの違いを紹介しましたが、実際に文章を作るとなると使い分けが難しいですよね。
コツとしては「안」「속」「중」が入った韓国語の文章を日本語にする際に「どのニュアンスの”中”なのか?」と出てくるたびに考えてみることです。
考えるうちに段々と馴染んできて、馴染みきると何も考えることなく違いを捉えられるようになります。
「안」と「속」はどちらを使っても違和感のないシーンも多いです。
そのため相手に通じたと思っていても、実は微妙に違ったニュアンスで伝わっているかもしれません。
文章を作る際には、まず文章全体を考え、最後にその文脈に合うほうを選択すれば自分の考えるニュアンスをより正確に伝えることができますよ。